- 生ごみを埋めると違法?
- 不法投棄の定義や罰則は?
- 生ごみを埋めても違法にならないためには?
生ごみのニオイやコバエを避けるために土に埋めて処理する方法があります。特に畑や家庭菜園をしている方は、生ごみを堆肥として有効活用できるので一石二鳥です。
しかし、何も考えずに生ごみを埋めると違法(不法投棄)になってしまうかもしれません。
不法投棄は逮捕や罰金などのリスクもあります。生ごみを埋める前に必ず違法にならないためのポイントを確認しましょう。
本記事では、不法投棄の概要、生ごみを埋めて違法になりやすいケースや違法にならないための注意点などを解説します。
「生ごみ処理のために土に埋めるか悩んでいる」という方は、ぜひ参考にしてください!
生ごみを土に埋めると違法(不法投棄)になる可能性がある
生ごみを土に埋めると、状況によって違法(不法投棄)になる可能性があります。
不法投棄とは廃棄物処理法に違反しているごみの投棄のこと。廃棄物処理法の規定は次のとおりです。
(投棄禁止)
第十六条 何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない。
「みだりに」とは「勝手に/軽率に/明確な理由なく」といった意味です。また廃棄物処理法は、土地の所有者に土地を清潔に保つ義務があることも定めています。
(清潔の保持等)
第五条 土地又は建物の占有者(中略)土地又は建物の清潔を保つように努めなければならない。
つまり、下記のような場合に不法投棄と判断される可能性が高いです。
- ごみ捨て場以外の場所に生ごみを捨てている
- 合理的な理由なく生ごみを捨てている
- 生ごみを捨てたことで土壌や河川を汚染している
不法投棄で逮捕されることはある?
不法投棄を行なったことで逮捕されている事例は多く存在します。
ニュースで取り上げられやすいのは、生ごみのような一般ごみではなく業者の産業廃棄物が問題となるケースです。2023年には、お寺の駐車場に産業廃棄物を捨てたことで男性2人が逮捕された事件がありました。
しかし一般ごみでも、他人の敷地に大量のごみを投棄したことで逮捕された事例もあります。
一方、”生ごみ(一般ごみ)”を”自分の敷地に”投棄したことで不法投棄として逮捕された事例は見つかりませんでした。
とはいえ「事例がない=100%安全」ではありません。あくまで見過ごされているだけ、という可能性が高いです。
不法投棄の罰則は?
不法投棄の罰則は、5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金またはその両方です(家庭ごみの場合)。
参考:廃棄物処理法における罰則
ただし生ごみを自宅の庭に埋めた程度であり、初犯であれば、起訴されても数十万円程度の罰金に収まる可能性が高いと考えられます(※保証するものではありません)。
法人の産業廃棄物の場合、5年以下の懲役もしくは3億円以下の罰金またはその両方となります。
生ごみを自分の敷地に埋めると違法になる?
生ごみを自分の敷地に埋めて違法になるかどうかは、ケースバイケースです。
たとえば「生ごみを堆肥として活用する目的かつ周囲の迷惑にならない範囲で埋める」場合は違法にならない可能性が高いと言えます。
合理的な目的があって、周囲への配慮を行なっていれば「みだりに」廃棄していると判断されないでしょう。
逆に「燃えるごみとして捨てるのが面倒だから」といった理由で埋めていたり、悪臭を放置していたりすると不法投棄になってしまうかもしれません。
ただし違法じゃなくても、ご近所トラブルに発展すると警察や自治体の環境課に通報されることは考えられます。
特に持ち家の場合は「違法かどうか」だけではなく「ご近所トラブルにならないかどうか」も気にしたいポイントですね。
生ごみを自分の敷地に埋めて違法にならないためには?【注意点3つ】
生ごみを自分の敷地に埋めて違法にならないために、次のポイントに注意しましょう。
- 強いニオイが出る生ごみを埋めない
- 周囲の家と十分な距離を確保する
- 土に還らない生ごみを埋めない
ご近所トラブル・土壌汚染の2点に気をつけていれば、生ごみを自分の敷地に埋めて不法投棄となる可能性は低いです。
1. 強いニオイが出る生ごみを埋めない
強いニオイが出る生ごみは自分の敷地であっても埋めないようにしましょう。
肉や魚の内臓などの生ごみは、他の生ごみに比べて腐敗しやすいです。土に埋めると分解される前に腐敗が進み、強いニオイが発生してしまいます。
生ごみを土に埋めてしまえば、多少の生ごみ臭や発酵臭であれば漏れることはありません。しかし肉や魚の強い腐敗臭は埋めてもかなり漏れて広がります。
- 肉の食べ残し
- 魚の内臓
- チーズなどの乳製品
漏れ広がった腐敗臭はご近所トラブルの原因となるため、ニオイが強い生ごみは埋めないようにしましょう。
強い腐敗臭が出ていると、「人が死んでいるかも」という疑いから生ごみの不法投棄以上の大ごとになることも…。大袈裟に感じるかもしれませんが、特に気をつけたいところです。
2. 周囲の家と十分な距離を確保する
生ごみを自分の敷地に埋めて違法にならないための2つ目のポイントは、周囲の家と十分な距離を確保することです。
埋める生ごみに気をつけていても、ニオイがゼロになるわけではありません。隣の家との境目ギリギリに生ごみを埋めていると、風に乗ってニオイが広がり不快な気持ちにさせてしまう可能性があります。
生ごみを埋める際は、周囲の家から5m以上の距離を確保できるところに埋めましょう。
どうしても距離を確保することが難しい場合、下記のようなニオイ漏れを防ぐコツがあります。
- 植木などでニオイの拡散を防ぐ
- 一度に埋める生ごみの量を少なくする
- 土にそのまま埋めずにコンポストを使う
とはいえわざわざ木を植えるのはコスパが悪いですし、生ごみが出る量は調整できません。
距離を取ることが難しければ、そもそも「生ごみを埋めない」という選択肢になることが多いですね
3. 土に還らない生ごみを埋めない
土に還らない生ごみを埋めないことも、不法投棄を避けるために重要なポイントです。
土に還らない生ごみを埋めると、生ごみが残り続けて土地の性質が変わってしまいます。「生ごみくらい」と思うかもしれませんが、分解できないごみを捨てている意味ではポイ捨てと同じなのです。
下記のような生ごみは、分解に数十年もしくは100年以上の時間がかかるため埋めないようにしましょう。
- 肉や魚の骨
- 貝殻
- 卵の殻
逆に野菜クズなどの生ごみであれば、量にもよりますが数日〜1週間程度で土に還るため埋めても問題ありません。
土に還るかどうかの違いは「人間が食べられるかどうか」とほぼ同じです。人間が食べられる野菜クズなどは土に還るので埋めてもOK。食べられない骨などは土に還らないので埋められません。
不法投棄を避けるなら生ごみ処理機がおすすめ!
「不法投棄の心配がない方法で生ごみを処理したい」方には生ごみ処理機がおすすめです!
生ごみを乾燥させたり微生物の力で分解したりすることで、削減処理する便利家電のこと。生ごみの量を約70〜90%削減できる。
生ごみ処理機を使うと、1日〜長くても1週間程度で生ごみの量を1/4まで圧縮できます。
処理中のニオイを防止してくれる機種もあるので、特に夏場の嫌な生ごみ臭に悩むこともありません。
また処理した生ごみを堆肥として使えるケースもあります。生ごみをそのまま土に埋めるよりも処理が早く堆肥としても良質なので、一石二鳥です。
おすすめの生ごみ処理機について、詳しくは下記の記事で紹介しています。生ごみの捨て方に悩んでいる場合はぜひ参考にしてくださいね!
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まとめ|生ごみを埋めると違法になる可能性もある
今回は「生ごみを自分の敷地に埋めると違法なのか」について解説しました。
基本的に生ごみを自宅の敷地に埋めて違法になる可能性は高くないでしょう。しかし下記のようなケースでは、逮捕まではいかなくともご近所トラブルなどの問題になることが考えられます。
- ニオイが強い生ごみを埋めている
- 周囲の家との距離が近くニオイが伝わっている
- 土に還らない生ごみを大量に埋めている
生ごみを土に埋めると、燃えるごみを減らせる上に堆肥として活用できてエコなことは間違いありません。
特に畑や家庭菜園をしているお家では、ご近所トラブルに発展しないように注意した上で生ごみを土に埋めるのもいろんな意味でよい選択肢です。
ご近所トラブルを防ぐことが難しいと感じたら、コンポストや生ごみ処理機を検討してみてもいいかもしれませんね。
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